惑星
木星の四大衛星を見る。夜ごとに変わる、小さな太陽系
まず知っておきたいこと
イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストは、木星の主要な四衛星です。安定させた双眼鏡で、木星のそばに並ぶ点として見えることがあります。数日から約17日で公転するため、並び方は夜ごとに変わります。Apphemerideのガリレオ衛星カードで、選択時刻の配置を確認できます。
ガリレオが見つけた、木星を巡る天体
1610年1月、ガリレオ・ガリレイは望遠鏡を木星へ向け、近くに小さな光が並ぶことを記録しました。数夜を比べると、左右や個数が変わります。木星の周りを回る天体と考え、その観測を同年の『星界の報告』で発表しました。
ほぼ同じころ、シモン・マリウスも観測していました。今日のイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストという名前は、ケプラーの提案にも関係して、マリウスが使ったものです。人物と発見の歴史は、そのまま固有の背景として紹介します。
すべてが地球の周りを回るわけではないことを、実際の観測が示した点で重要でした。木星にはほかにも多数の衛星がありますが、一般的な小型機材で観察しやすいのは、この四つです。
四つの衛星、それぞれの周期
- イオ:約1.77日で一周します。活発な火山活動で知られ、明るさは約5.0等です。
- エウロパ:約3.55日。氷の下の海が研究されている衛星で、約5.3等です。
- ガニメデ:約7.15日。直径約5268kmで、太陽系最大の衛星です。水星より大きく、約4.6等です。
- カリスト:約16.69日。四つの中で最も外側を回り、約5.7等です。
イオ、エウロパ、ガニメデには、約4:2:1の公転周期の共鳴があります。単に自由な速さでばらばらに動いているのではなく、重力で結び付いた配置です。カリストは、この三つの共鳴には入りません。
速いイオは、一時間ほどでも位置の変化を感じられます。外側のカリストは、配置によって木星の円盤の上下を通り、隠れない場合もあります。
双眼鏡や望遠鏡で見る
衛星はそれ自体なら肉眼の限界に入る明るさですが、木星の強い光が近くにあるため見分けにくくなります。7〜10倍程度の双眼鏡を三脚や安定した台で支えると、光の点を分離しやすくなります。手ぶれは大きな妨げです。
いつも四つ見えるとは限りません。木星の前や後ろ、影の中にある場合や、衛星同士が近すぎる場合があります。衛星の軌道は木星の赤道面に近く、それを地球からほぼ横向きに見るため、一直線に近い並びに見えます。
衝の前後は木星が近く、長い時間観測しやすい時期です。日本の市街地でも明るい木星は対象になりますが、低高度の大気の揺らぎや周囲の光には注意します。暗い場所へ行くだけで、像の細部が必ず安定するわけではありません。
木星本体も約10時間で自転し、雲の帯が変化します。赤道付近とそれ以外で回転の扱いが違うため、経度にシステムIとシステムIIを使います。大赤斑の向きを考えるには、システムIIの中央子午線が手がかりです。大赤斑自体の経度も変わるため、中央子午線だけを固定の通過予報と同一視しません。
衛星の食、掩蔽、通過、影の通過
掩蔽では衛星が木星の後ろへ隠れます。食では木星の影へ入り、円盤のそばに見えていても暗くなります。通過では衛星が木星の円盤の前を通り、模様と重なって見えにくくなります。影の通過では、衛星の影が木星の雲へ黒い点として映ります。
さらに、地球と太陽から木星の赤道面を見やすい約6年ごとの時期には、衛星同士の食や掩蔽も起こります。衛星の位置と、太陽・地球からの見る方向を合わせると、その違いを理解できます。
1676年、オーレ・レーマーはイオの食の時刻のずれから、光が届くのに時間がかかることを考えました。地球と木星の距離が変わると光の到着も変わる、という科学史上の重要な事例です。
Apphemerideで確かめるには
よくある質問
木星の衛星は、双眼鏡でも見えますか?
はい。四大衛星は、安定させた7〜10倍程度の双眼鏡で点として見える場合があります。手ぶれ、霞、木星との近さによって、見分けやすさが変わります。
三つしか見えないのはなぜですか?
一つが木星の前や後ろ、影の中にある場合があります。二つが接近し、分離できない場合もあります。数時間後には、速いイオなどの移動で並び方が変わります。
四大衛星の名前は何ですか?
イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストです。ガリレオ衛星とも呼びます。ガニメデは太陽系最大、イオはこの四つの中で最も内側を速く回る衛星です。
木星は、いつ観測しやすいですか?
約13か月ごとの衝の前後が目安です。一晩中見やすく、比較的近く明るくなります。細部の観察には、地平線から十分な高度と、大気の安定も重要です。