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月

月による星食。恒星や惑星が月の向こうへ消えるとき

まず知っておきたいこと

月が恒星や惑星の前を通り、その光を隠す現象を星食、または掩蔽と呼びます。恒星はほぼ点に見え、月に厚い大気がないため、突然消えたように見えます。見えるかどうかと時刻は観測地点に強く依存します。Apphemerideの「天象イベント」の一覧では、月による掩蔽をリマインダー付きで確認できます。

月が星を隠すしくみ

月は背景の恒星に対して東へ動き、一時間でおおよそ月自身の直径ほど進みます。その経路は黄道の近くの帯状の領域にあり、その中の恒星や、ときに惑星の前を通ります。

恒星が月の円盤の中央近くを通るような位置関係なら、隠れている時間は一時間ほどになる場合があります。縁をかすめるだけなら、数分、あるいは数秒です。潜入と出現の位置は、月に対する星の見かけの経路で決まります。

双眼鏡でも、数分の間に月縁と恒星の距離が縮む様子を追えることがあります。東西の呼び方を使う資料では、天球上の方向と月面の地理的方向を混同しないようにします。望遠鏡によって像が反転したり鏡像になったりすることもあります。

観測地が変わると、見え方が変わる

月は地球に近いため、観測地点が違うと、背景の恒星に対する月の位置も変わります。数千km離れた二つの地点では、月の見える方向に月の直径より大きな差が生じることもあります。東京で隠れる星が、別の地域では月のすぐそばを通るだけ、という場合があります。特定の現象について、都市名だけで見えると断定することはできません。

一つの星食を見られるのは、地球上の一定の領域です。その中でも、潜入・出現の時刻は地点ごとに変わります。境界付近には、恒星が月縁をかすめる細い帯があります。これが**接食**です。月の山や谷に沿って光が何度も隠れ、また現れることがあります。

どんな天体が隠れるのか

明るい恒星の中では、黄道に近いアルデバラン、レグルス、スピカ、アンタレスがよく知られています。プレアデス星団〈すばる〉でも、複数の恒星が月に隠れる現象が起こります。すばるは、日本で親しまれる呼び名ですが、観測できる日付や星の数は場所と条件で変わります。

星食は均等に毎月同じように起こるわけではありません。月の軌道は黄道に傾き、その交点は約18.6年で一巡します。ある恒星が隠れる時期がしばらく続き、その後は長く機会がないというまとまりが生じます。

惑星も月に隠れます。惑星には見える大きさがあるため、恒星のようなほぼ一瞬の消失ではなく、円盤が数秒かけて月縁へ沈むように見える場合があります。

観察の準備

月の暗い縁での潜入は、特に印象的です。満ちていく月では、暗い縁に近づいた恒星が、見えない輪郭のところで急に消えるように見えることがあります。欠けていく月では、暗い縁から突然現れる様子が見どころです。満月付近には月面の光が強く、暗い恒星は見にくくなります。

明るい恒星や惑星なら双眼鏡が役立ち、小さな望遠鏡ならより詳しく追えます。予報時刻の数分前には観測を始めましょう。正確な潜入時刻には、観測地の位置と月縁の地形も関係します。

精密な時刻記録は、月縁や天体の研究に役立つことがあります。専門の観測には、時刻の基準や機材の遅れの扱いも必要です。一般の観望では、まず観測地で見えるか、月が十分高いかを確認することが大切です。

Apphemerideで確かめるには

Apphemerideで確かめるには

完全版の「天象イベント」の一覧では、月による掩蔽を30種類の現象の一つとして確認できます。月と天体の接近、惑星同士の接近とは別の現象です。詳細には、時刻、見る方向、必要な機材、見どころが示され、小さな星図と時間スライダーで接近を確かめられます。

発生時、1時間前、12時間前、1日前、1週間前のリマインダーを選べ、検索期間は1週間から2年です。月の出入りは無料の月のデータで確認できます。天文現象の紹介をご覧ください。

Apphemerideの天文現象カード。月による掩蔽の時刻と評価、地平線下で起こる場合の表示、リマインダーのベルを表示。
月による掩蔽を時刻と評価で一覧表示。観測地点の地平線下で起こる場合もわかります。

よくある質問

星食と掩蔽は違いますか?

どちらも手前の天体が奥の天体を隠す現象に使われます。月が恒星を隠す場合は星食と呼び、惑星を隠す場合も含めて月による掩蔽と表せます。一般の天文学には、小惑星による恒星の掩蔽など、別の種類もあります。

恒星が突然消えるのはなぜですか?

恒星は非常に遠く、見かけにはほぼ点です。月には光を徐々に弱める厚い大気がないので、月縁がその点を隠すと急に見えなくなります。見える大きさのある惑星では、隠れるまでに時間がかかります。

月が惑星を隠すこともありますか?

はい。金星、火星、木星、土星などで起こり、水星、天王星、海王星も対象になり得ます。見られる地域は限られ、太陽との位置関係や月相によって観察しやすさが変わります。太陽に近い方向の観測には、特に注意が必要です。

どの明るい恒星が隠れますか?

代表的なのは、アルデバラン、レグルス、スピカ、アンタレスです。すばるを含む多くの暗い恒星でも起こります。どの時期に可能かは、約18.6年で一巡する月の交点の位置にも関係します。

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