Apphemeride

日食と月食

日食はどう起こる? 見える地域と、安全な観測の基本

まず知っておきたいこと

日食は、新月が太陽と地球の間へ入り、月の影が地球に届く現象です。細い帯の中では皆既食や金環食となり、周囲の広い地域では部分食として見られます。自分の観測地点で見える形、接触時刻、最大食、継続時間は、Apphemerideで確認できます。

安全のために: 太陽の90%以上が隠れていても、保護なしで見てはいけません。通常のサングラス、救命用の反射シート、すすを付けたガラスなどは代用になりません。肉眼では、傷や破れのないISO 12312-2適合の日食観察用グラスを使用します。望遠鏡、双眼鏡、カメラでは、機材に適合する専用の太陽用フィルターを対物側に確実に取り付けます。日食グラスを着けても、無減光の光学機器をのぞくことはできません。保護なしで観察できるのは、皆既帯内で太陽の明るい面が完全に隠れている短い皆既中だけです。

毎月の日食にならない理由

月は新月のたびに、地球から見て太陽に近い方向へ来ます。それでも毎回日食にならないのは、月の軌道が地球の公転面に対して約5°傾いているためです。通常、新月は太陽の少し北か南を通り、月の影は地球を外れます。

新月が、月の軌道と黄道の交点である昇交点・降交点の近くに来ると、影が地球へ届く条件が整います。この条件がそろう時期を食の季節と呼び、おおよそ半年ごとに巡ります。地球全体では一年に2〜5回の日食が起こります。

似た配置の日食が繰り返される周期には、約18年11日8時間の**サロス周期**があります。約8時間のずれにより、次の似た日食は地球上の別の経度で起こります。同じ場所へ同じ見え方がそのまま戻る周期ではありません。

皆既、金環、部分という違い

月の影には、太陽全体が隠れる**本影と、太陽の一部だけが隠れる半影**があります。本影の先まで含めて考えると、日食の種類を理解できます。

  • 皆既日食:月が太陽を完全に覆い、本影が地表へ届きます。通常は幅数百kmほど以下の帯で、数秒から数分の皆既が見られます。太陽の明るい面が隠れ、コロナが見えます。条件がそろった理論上の最長規模は約7分半です。
  • 金環日食:月が見かけ上小さく、太陽を覆い切れません。中心に月が重なっても、明るい環が残ります。
  • 部分日食:太陽の一部だけが隠れます。中心の経路の外側にいる場合や、日食全体として影の中心が地球を外れる場合に起こります。

世界全体の影の通り方を表す量の一つがガンマです。影の軸が地球中心へ最も近づく距離を、地球半径で表します。0に近いほど中心寄り、絶対値が1に近いほど縁寄りの通過になります。観測地点の食分とは別の量です。

食分と、隠れる面積の割合

部分日食の説明には、混同しやすい二つの値があります。食分は、太陽の直径を基準に、月がどこまで入り込んでいるかを表す量です。面積の遮蔽率は、太陽円盤の面積の何%が隠れるかを示します。

円盤同士が重なるので、直径に沿う割合と、面積の割合は同じにはなりません。「直径の半分まで隠れる」を「面積の半分が隠れる」と読み替えることはできません。日中の景色の変化には、残る光の面積も重要です。

太陽の大部分が隠れるまで、周囲の明るさの変化は意外に目立たないことがあります。しかし、暗く感じるかどうかは眼の安全とは無関係です。細い太陽が残っているだけでも、適切な保護が必要です。

観測地点を選ぶときに考えること

月の影は地球上を高速で移動し、細い皆既帯や金環帯を描きます。同じ日食でも、日本のある地域で見える状態と、別の国で見える状態は異なります。「日本で見える」とだけ書かれた案内でも、国内のすべての場所で同じように見えるとは限りません。

確認したいのは、観測地が中心の経路の中か外か、太陽がどの高さにあるか、始まりや終わりが日の出入りと重ならないかです。海外へ日食を見に行く場合も、国名だけでなく実際の地点と地平線の見通しを確認します。晴れるかどうかは、天文学的な計算とは別の条件です。

直接のぞかない観察方法として、厚紙の小さな穴で別の面へ太陽像を投影する方法もあります。木漏れ日の一つひとつが、部分食の太陽の形になることもあります。穴や無減光の光学機器を通して太陽をのぞく方法ではありません。

Apphemerideで確かめるには

Apphemerideで確かめるには

日食の世界全体での始まり、最大、終わり、ガンマ、食分、種類を確認できます。観測地点ごとの表示では、C1〜C4、最大食、継続時間、日の出時に進行中かどうかなどがわかります。計算にはベッセル要素とΔTを使います。

完全版の食のシミュレーションでは、観測地点での進行を実時間または早送りで確認できます。地球の画面には、中心線、約10分間隔の時刻表示、等食分線を含む経路が表示されます。「天象イベント」の一覧とリマインダーも完全版の機能で、3日間の無料体験があります。太陽のカードにある基本的な日食データは無料です。日食と月食の機能をご覧ください。

Apphemerideの太陽の天体ページにある日食カード。今後の日食の種類と日付、観測地点で見えるかを示すアイコンを表示。
目のアイコンで、その観測地点から見える日食を確認できます。

よくある質問

日食は、どのくらいの頻度で起こりますか?

地球全体では一年に2〜5回あります。ただし一つの日食を見られるのは地球の一部で、皆既食の帯は特に細いため、一つの地点で皆既日食を見る機会はずっと少なくなります。

次の日食は、日本のどこでも同じように見えますか?

いいえ。食の種類、最大の食分、時刻、太陽の高度は地点で違います。部分食として見える場所と、皆既帯・金環帯に入る場所も区別が必要です。Apphemerideで観測地点を指定し、その地点の進行を確認できます。

日食には、どんな保護が必要ですか?

肉眼には、無傷のISO 12312-2適合の日食観察用グラスを使います。サングラスなどは代用になりません。光学機器には機材に適合する専用の対物側フィルターが必要です。皆既帯で完全な皆既を確認できる短い時間以外は、保護を外しません。金環食や部分食では常に必要です。

新月なら、なぜ毎回日食にならないのですか?

月の軌道が黄道に約5°傾き、多くの場合は太陽の北か南を通るためです。新月が軌道の交点付近に来て、太陽・月・地球が十分そろうと日食になります。

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