日食と月食
月食はどう起こる? 地球の影と、赤くなる月
まず知っておきたいこと
月食は、満月が地球の影を通る現象です。その時間に月が地平線上にある場所から見られ、皆既中には赤銅色に見えることがあります。日食のような細い観測帯はありません。Apphemerideでは、地点ごとに全過程が見えるか、一部だけか、見えないかを確認できます。
地球の影に入る満月
地球の夜側には、太陽と反対向きに長い影が伸びています。満月はその側へ来ますが、月の軌道が黄道に約5°傾いているため、通常は影の北か南を通り過ぎます。満月が月の軌道の交点付近に来ると、影へ入る条件が整います。
影の内側の**本影では、月面から見た太陽が地球に完全に隠れます。外側の半影**では一部が隠れます。月までの距離にある本影の幅は、月の直径の約2.5〜3倍です。
- 皆既月食:月全体が本影に入ります。
- 部分月食:月の一部だけが本影に入ります。
- 半影月食:月は半影だけを通り、わずかな明るさの変化にとどまる場合があります。
日食と異なり、影に入るのは月そのものです。同じ瞬間に月を見られる観測者は、基本的に同じ進行を見ます。ただし、月の出入りや雲、地形によって、実際に見える部分は異なります。
月食の進行と接触
| 接触 | 意味 |
|---|---|
| P1 | 月が半影に入り始めます。 |
| U1 | 月が本影に入り、部分食が始まります。 |
| U2 | 月全体が本影に入り、皆既が始まります。 |
| U3 | 月が本影から出始め、皆既が終わります。 |
| U4 | 月が本影から完全に出ます。 |
| P4 | 月が半影から完全に出ます。 |
P1の直後やP4の直前は、肉眼では変化がわかりにくい時間帯です。半影へ深く入ると暗さが目立ち、U1以後には月の縁からはっきりした影が進みます。皆既は長い場合で約1時間半以上続きますが、影を通る位置で大きく変わります。
**本影食分**は、最大時に月が本影へどれほど深く入るかを、月の直径を基準に示す量です。1未満なら月の一部が本影の外に残り、1以上なら皆既になります。数値が大きいほど、中心寄りを通る条件を表します。継続時間には、移動速度なども関係します。
皆既月食が赤く見える理由
本影の中でも、月が完全に見えなくなるとは限りません。太陽光の一部が地球の大気で曲げられ、影の内側へ入り込むためです。大気中を長く進む間に青い光が散乱され、赤い光が比較的届きやすくなります。地球の縁に沿う朝焼けや夕焼けの光が、月を照らしていると考えられます。
明るさと色は毎回同じではありません。成層圏に火山性の粒子が多い場合は暗くなり、条件によっては明るい橙色に見えることもあります。観測では、非常に暗い段階から明るい赤銅色までの5段階の**ダンジョン尺度**が使われます。
一回の月食の中でも、月面全体が均等な色になるとは限りません。影の中心からの距離や、光が通った地球大気の状態が違うためです。
観察と撮影のポイント
月食では、太陽ではなく月を見ます。通常の月の観察と同じく、日食観察用グラスは不要です。肉眼、双眼鏡、望遠鏡で、暗くなる過程や色を楽しめます。
重要なのは、各段階で月が観測地の地平線上にあるかどうかです。日本でも場所によって、欠けた月が昇る場合や、皆既の途中で沈む場合があります。東や西が開けた場所が役立つこともありますが、実際の方位と高度で判断します。
写真には三脚が役立ちます。部分食では明るい部分と影の部分の差が大きく、皆既中には通常の満月より長い露光が必要になります。月が暗くなると周囲の恒星も写りやすくなり、普段の満月とは違う風景になります。
Apphemerideで確かめるには
Apphemerideで確かめるには
月食のP1、U1〜U4、P4、本影食分、半影食分、影の幾何学を確認できます。観測地点に合わせて、全体が見えるか、一部だけか、見えないかもわかります。
完全版の月食シミュレーションでは、実時間、30倍、1秒あたり1分、1秒あたり2分で進行を確認でき、3D表示も利用できます。「天象イベント」の一覧とリマインダーで、今後の月食に備えられます。月のカードにある基本的な食のデータは無料です。日食と月食の機能をご覧ください。
よくある質問
ブラッドムーンとは何ですか?
皆既月食中の赤い月を指す一般的な呼び名です。地球の大気を通って影の中へ届く太陽光で、月が赤銅色や暗い赤に照らされます。色や明るさは大気の状態で違います。
月食は、どれくらい続きますか?
長い皆既月食では、半影の始まりP1から終わりP4まで約5〜6時間、本影に関係するU1からU4まで数時間かかる場合があります。皆既そのものは、その一部です。短い食もあり、月が影を通る経路で変わります。
月食にも保護グラスが必要ですか?
いいえ。月は通常の満月より暗くなり、月食を見るための日食観察用グラスは不要です。太陽を直接観察する日食とは、安全上の条件が違います。
月食は世界中で見えますか?
その時間に月が地平線上にある場所から見られます。接触は地球上で同じ瞬間に起こりますが、時計の表示はタイムゾーンで異なります。月が昇る前や沈んだ後の段階は、その地点からは見えません。