日食と月食
日食の接触時刻とは? C1、C2、C3、C4を読み解く
まず知っておきたいこと
日食の接触時刻は、観測地点で太陽と月の縁が触れる重要な瞬間です。C1は部分食の始まり、C2とC3は皆既または金環の始まりと終わり、C4は部分食の終わりです。中心の経路の外では、通常C1とC4だけになります。Apphemerideでは、地点別の接触、最大、継続時間を確認できます。
四つの接触と最大食
一つの日食でも、地球上の地点ごとに時刻は違います。月と太陽の縁の関係で、進行を次のように表します。
| 接触・段階 | 観測地点で起こること |
|---|---|
| C1〈第1接触〉 | 月が太陽の縁へ外側から触れ、部分食が始まります。 |
| C2〈第2接触〉 | 内側で縁が接し、皆既または金環の段階が始まります。 |
| 最大食 | その地点で太陽が最も大きく隠れます。 |
| C3〈第3接触〉 | 内側で再び縁が接し、皆既または金環の段階が終わります。 |
| C4〈第4接触〉 | 月が太陽の円盤から離れ、部分食が終わります。 |
皆既帯・金環帯の外で部分食だけを見る場合には、C2とC3がありません。C1からC4の間に最大食がありますが、太陽の明るい部分は常に残ります。
**位置角**は、最初に月が太陽へ入り込む場所などを、円盤の縁に沿って表す角度です。天球の基準方向と、カメラの画面内の上下左右は同じとは限らないため、機材の向きも合わせて確認します。
C2とC3の前後で見えるもの
皆既日食の内側の接触付近では、月縁の山や谷の影響が目立ちます。最後の細い太陽光が、谷間から点々と漏れるのがベイリービーズです。明るい点が一つ残り、弱いコロナの輪と組み合わさると、ダイヤモンドリングのように見えます。
太陽の明るい面が完全に隠れると皆既となり、コロナ、明るい惑星や恒星が見えることがあります。C3後は逆の順に太陽光が戻ります。
眼の保護は、計算時刻だけを根拠に外してはいけません。観測地が皆既帯内にあり、太陽の明るい面が完全に隠れたことを確認できる短い皆既中だけが例外です。最初の光が戻る前に保護が必要です。ダイヤモンドリングやベイリービーズにも明るい太陽光が含まれます。金環食では、C2からC3の間も保護を続けます。
皆既の長さを決める条件
主な条件は、太陽と月の見かけの大きさ、影の移動速度、観測地点が影の帯のどこにあるかです。一般に中心線付近で長く、帯の縁へ近づくと短くなります。縁では本影がわずかにかすめ、皆既が数秒になることもあります。
月が近地点付近で大きく、太陽が比較的小さく見え、影が地表を通る条件もそろうと、長い皆既が生じます。地球の自転による地表の動きも関係します。理論上の最長規模は約7分半ですが、どの日食でもその長さになるわけではありません。
旅先を選ぶなら、単に皆既帯の中へ入るだけでなく、中心線からの距離を考えます。一方、月縁の光の変化を詳しく観測する目的で、あえて帯の境界付近を選ぶ場合もあります。見たい現象と継続時間の関係を理解して計画することが大切です。
月食の接触は、別の記号を使う
月食では、半影に入るP1、出るP4、本影に関係するU1〜U4を使います。重要なのは、日食と異なり、月が地球の影へ入る出来事そのものは、地上の観測者全員にとって同じ瞬間だという点です。
時刻の表示はタイムゾーンで変わりますが、観測者の場所ごとに接触現象が順番に起こるわけではありません。ただし、その瞬間に月が地平線上にあるかによって、実際に見られる段階は異なります。
精密な時刻に、地球の回転が関係する
接触時刻には、太陽と月の位置に加え、影の幾何学をまとめた**ベッセル要素を使います。さらに、一様な時間尺度と、わずかに不規則な地球の回転に基づく時刻の差であるΔT**も関係します。
ΔTの誤差は、影が地表のどこへ来るかに影響します。先の年代までの予報ほど、地球の自転の不確かさにも注意が必要です。また、実際に見える接触の細部は月縁の地形や観測条件でも変わります。計算値の秒表示は、眼の安全や天候を保証するものではありません。
Apphemerideで確かめるには
Apphemerideで確かめるには
日食ではC1〜C4、観測地点の最大食、継続時間と、日の出時に進行中、日の入りで見えなくなるといった条件を表示します。月食ではP1、U1〜U4、P4を確認できます。計算基盤はベッセル要素とΔTです。
完全版の食のシミュレーションでは、実時間、30倍、1秒あたり1分、1秒あたり2分で進行を確認できます。遮蔽率、位置角、3D表示で、その日の進み方を前もって把握できます。接触時刻と食のシミュレーションをご覧ください。
よくある質問
日食のC1とは何ですか?
第1接触で、月の縁が太陽の円盤に外側から触れ、その地点の部分食が始まる瞬間です。最初は小さな変化なので、見分けにくいことがあります。どの縁で始まるかは位置角が手がかりになります。
皆既日食は何分続きますか?
C1からC4までの全体は、一般に数時間です。C2からC3までの皆既はずっと短く、数秒から数分で、条件が極めてよい場合の最長規模は約7分半です。観測地点で長さが異なります。
皆既帯の端で短くなるのはなぜですか?
本影の端が観測地点をかすめ、太陽全体を覆う時間が短くなるためです。長い皆既を見たいなら、通常は中心線に近い地点が適しています。
月食の接触時刻は、世界中で同じですか?
接触は同じ瞬間に起こります。時計上の時刻はタイムゾーンで違い、観測地の月の出入りによって見える段階が変わります。日食のように地点ごとに別の接触時刻になるのとは異なります。