太陽と昼の長さ
白夜と極夜とは? 太陽が沈まない、昇らない空
まず知っておきたいこと
真夜中でも太陽が地平線の上にあるのが、白夜のうち真夜中の太陽が見える状態です。極夜は、一日中太陽が昇らない状態。地軸の傾きによって極域付近で起こり、実際に見える境界には大気差も影響します。Apphemerideの地球の画面で、太陽が地平線上にある地域を確認できます。
極域で太陽が沈まなくなる理由
地軸は、公転面の垂直方向から約23.4°傾いています。6月至点付近は北極が太陽側へ傾き、高緯度の地点が地球の自転中ずっと明るい側に残るようになります。12月至点付近には逆となり、高緯度の地点は自転しても太陽光の当たる側へ出ません。
天球上では、太陽が地平線を横切らない周極の経路を描きます。北極域の夏なら、太陽は真夜中ごろ北側へ低く来ますが、地平線の上にとどまります。極に近いほど、太陽の赤緯がそれほど北へ大きくならないうちからこの状態になり、続く期間も長くなります。
経路の見え方も緯度で変わります。北極圏の境界近くでは、夏至付近の真夜中に太陽が北の地平線をかすめます。さらに北へ進むと経路が地平線に対して平らになり、北極ではほぼ地平線に平行な円になります。高度は太陽の赤緯に近く、夏至付近は約23°です。
幾何学的な極圏の境界は、緯度約66.56°です。地軸の傾きは長い年月で変化するため、この境界も完全に固定されているわけではありません。
大気差が境界を変える
幾何学だけなら、極圏の境界では至点付近に太陽中心が地平線をかすめます。しかし実際には、大気差が太陽を高く見せ、日の出入りは太陽の上端を基準にします。標準的な定義では、太陽中心が地平線の下約0.833°にあっても上端が見えることになります。
そのため、北半球の真夜中の太陽は、北の地平線が開けている条件では、約65.7°の緯度付近から見られる場合があります。逆に、太陽の上端さえ一日中出ない極夜は、およそ67.4°より北で始まります。極圏の線の上なら、冬至付近でも太陽の一部が短時間現れることがあります。
山の上など高い場所では見える地平線が低くなるため、真夜中の太陽を見られる期間も変わります。数字は平らで開けた地平線と標準的な大気の目安で、現地の地形による遮蔽を含む保証ではありません。
白夜と極夜は、どのくらい続くか
極に近いほど長くなります。年、定義、地平線の条件で日付は変わりますが、旅先の違いを考える目安になります。
- 極圏の境界付近:幾何学的には至点付近だけですが、大気差と太陽の上端を含めると、真夜中の太陽が見える期間はより長くなります。
- ノルウェーのトロムソ付近〈約69.6°N〉:真夜中の太陽はおおむね5月中旬から7月下旬、極夜は11月下旬から1月中旬の季節的な現象です。実際の見え方は山や地平線に左右されます。
- 北極:太陽はおよそ半年地平線上にあり、およそ半年下にあります。大気差のため、見かけの昼の期間は単純な半年より少し長くなります。
同じ地点でも、太陽が沈まない期間と昇らない期間は、通常ぴったり同じ長さではありません。大気差に加え、北半球の天文学的な夏と冬の長さが異なることも関係します。
極夜でも、一日中真っ暗とは限らない
北欧の極夜では、正午ごろに青、桃色、橙の薄明が空を彩ることがあります。太陽が昇らなくても、地平線のすぐ下にあれば上空を照らすためです。極夜を「24時間、天文夜と同じ暗さ」と考えるのは正しくありません。
太陽が正午でもどこまで低いかで、次の状態を区別できます。
- 市民薄明のない極夜:太陽が正午でも−6°を上回らない状態。北半球の冬至付近には約72.6°以北で生じます。
- 航海薄明にも達しない極夜:太陽が−12°を上回らない状態。目安は約78.6°以北です。
- 天文薄明にも達しない極夜:太陽が−18°を上回らず、天文夜が一日中続く状態。約84.6°以北の、極に近い場所で生じます。
南半球では季節が逆になり、真夜中の太陽は12月付近、極夜は6月付近の現象です。
日本から北欧へ出かけるなら
- 真夜中の太陽を見る旅では、単に「北欧」という地域名だけでなく、観測地の緯度と北方向の地平線を確認します。山や建物の陰に太陽が入ると、天文学的には沈んでいなくても見えません。
- 極夜とオーロラは別の現象です。 暗い季節はオーロラ観測に適した時間を得やすくなりますが、オーロラ自体は太陽活動などに左右されます。太陽の出入りのように正確な発生時刻を保証できません。
- 写真の光は長く続くことがあります。 太陽が地平線付近をゆっくり動くため、ゴールデンアワーやブルーアワーが日本での感覚より長くなります。気温、交通、現地の安全条件も別に確認しましょう。
Apphemerideで確かめるには
Apphemerideで確かめるには
地球の画面では、昼夜と薄明の領域、太陽が地平線上にある範囲、太陽の直下点を確認できます。太陽の基本的な表示は無料です。至点付近に極域を見ると、照明の境界が極を越えているかどうかがわかります。
ダッシュボードの今夜の観測見通しは、現在から翌日の太陽の上方子午線通過までを対象とするので、白夜や極夜でも使えます。この機能は完全版です。太陽の天体ページの24時間可視性帯では、選択地点で太陽が一日中地平線上にあるのか、下にあるのかを確認できます。別の場所や日付を設定する際は、完全版の地点選択とタイムトラベルを使います。地球の画面の紹介をご覧ください。
よくある質問
真夜中の太陽は、どの緯度から見られますか?
幾何学的な目安は約66.6°の極圏ですが、大気差と太陽の上端を考慮すると、開けた地平線では約65.7°から見える場合があります。極に近づくほど、その期間は長くなります。
極夜は一日中真っ暗ですか?
必ずしもそうではありません。太陽が正午に地平線のすぐ下まで来る地域では、薄明の明るさがあります。天文夜が一日中続くのは、さらに極に近い地域です。
南半球にも真夜中の太陽はありますか?
はい。南極圏で、主に12月至点付近に見られます。極夜は6月至点付近です。北欧と南極では、同じ月でも季節が逆になります。
日本にも白夜はありますか?
日本には、真夜中でも太陽が地平線の上にある意味での白夜はありません。北海道の夏の夕暮れは長くなりますが、極圏の真夜中の太陽とは異なります。「白夜」という言葉を、明るい夜空全般の意味と混同しないようにしましょう。