星空と恒星
星を見るには、いつ十分に暗くなる?
まず知っておきたいこと
天文夜は、太陽が地平線下18°より深く沈む時間帯です。その有無は緯度と季節で変わります。天文夜でも月や街明かりは空を明るくするため、淡い星を見るには別に確認が必要です。Apphemerideの「今夜の観測見通し」で、暗い時間帯と月の条件をまとめて確認できます。
薄明の三つの段階
日没後も上空の大気が太陽光を散乱し、空は徐々に暗くなります。基準にするのは、地平線に対する太陽中心の高度です。
| 段階 | 太陽の位置 | 空の様子の目安 |
|---|---|---|
| 市民薄明 | 日の入りから−6°まで | 地上に明るさが残り、明るい惑星などが見え始める |
| 航海薄明 | −6°〜−12° | 水平線がまだわかり、明るい恒星が増える |
| 天文薄明 | −12°〜−18° | 肉眼には暗く感じても、淡い光には太陽光が影響 |
| 天文夜 | −18°より下 | 散乱した太陽光の寄与が通常ごく小さい |
明るい惑星や月なら、薄明が残っていても観察できます。天の川や暗い恒星には、天文薄明後の空が向いています。朝は逆の順に明るくなります。
夏の夜と、緯度の関係
太陽が最も低くなるのは、真の真夜中付近です。夏の高緯度地域では、そのときも太陽があまり深く沈みません。北緯約48.6°より北では、6月至点付近に天文夜にならない場所が現れます。
日本の主な観測地での夏の暗さを、北欧の白夜の説明と同じにすることはできません。北海道、東京、沖縄でも、薄明の長さと暗くなる時計時刻は違います。海外で高緯度へ旅するなら、日没だけでなく、太陽が−18°まで沈むかを確かめましょう。
南半球では季節が逆です。どちらの半球でも、「夏だから必ず天文夜がない」という意味ではなく、緯度と太陽の赤緯が条件を決めます。
月が出ていると、空はどう変わるか
満月は約−12.7等と明るく、空全体の背景を明るくして暗い星を見えにくくします。位相と見える時間帯には、おおよそ次の関係があります。
- 新月付近:月は太陽の近くにあり、夜の観測では月明かりが少ない時期です。
- 上弦付近:夕方に月があり、深夜ごろ沈むのが目安です。
- 満月付近:おおむね一晩中、月が見える配置です。
- 下弦付近:深夜ごろ昇るため、夕方が月明かりの少ない時間になりやすくなります。
実際の出入りは、緯度、季節、月の赤緯でずれます。月相だけでなく、観測する時間に月が地平線上にあるか、どのくらい高いかを確認します。
自分の観測時間を組み立てる
暗さの始まりと終わり、月の出入り、対象が高い時間を重ねて考えます。さらに、自分で改善できる条件もあります。
- 光の少ない場所を選ぶ。 都市から離れるとよくなる場合がありますが、「何km離れれば必ず何等暗い」とは決まりません。地形や広域の光害も影響します。
- 暗順応を守る。 明るい光を避け、20〜30分ほど目を慣らします。赤い光でも明るすぎれば妨げになるため、必要最小限にします。
- 対象の高度を見る。 地平線付近は霞や都市の光の影響を受けやすくなります。高い対象ほど、大気を通る距離が短く、見やすい条件を得やすくなります。
白夜や極夜には、日没から日の出という単純な夜の区間がありません。太陽の高度変化を基に、その場所で得られる暗さを考えます。
Apphemerideで確かめるには
Apphemerideで確かめるには
ダッシュボードの「今夜の観測見通し」は、夜をひと言で評価し、暗い時間帯の始まりと終わり、月の出入り、照明割合、月明かりの影響、暗い時間の高度10°以上の惑星、今後の現象をまとめます。現在から翌日の太陽の上方子午線通過までを扱うため、白夜や極夜でも使えます。
太陽の「光の状態」には、市民薄明、航海薄明、天文薄明の時刻が無料で表示されます。月のページでは、月相と月の出入りも無料です。今夜の観測見通しは完全版の機能です。ダッシュボードの紹介をご覧ください。
よくある質問
今日、十分に暗くなるのはいつですか?
天文薄明が終わる時刻は、場所と日付で変わります。太陽が−18°より深く沈むことが基準ですが、月や街の明かりは別に残ります。Apphemerideの太陽の「光の状態」で、地点に対応する時刻を確認できます。
天文夜とは何ですか?
太陽が地平線下18°より深くある時間帯です。夕方の天文薄明の終わりから、朝の天文薄明の始まりまでに当たります。月がないことや、光害がないことは、定義に含まれません。
夏は、どこでも完全には暗くなりませんか?
いいえ。天文夜がなくなるかは緯度に依存します。北欧などの高緯度では夏至付近に起こりますが、日本の夏の夜へ一律に当てはめることはできません。地点と日付で太陽の最低高度を確認します。
月は星を見る妨げになりますか?
明るい月は淡い恒星や天の川の観察を難しくします。上弦なら夜半以降、下弦なら夕方など、月が出ていない時間を選べる場合があります。明るい惑星や月面自体を見る場合は、暗い空への要求が異なります。