太陽と昼の長さ
アナレンマとは? 一年の太陽が空に描く8の字
まず知っておきたいこと
アナレンマは、同じ場所から、一年を通して同じ平均的な時計時刻に太陽の位置を記録すると現れる、細い8の字形です。地軸の傾きによる赤緯の変化と、地球の公転に由来する均時差が重なって生じます。観測地点のアナレンマは、Apphemerideの太陽のカードで確認できます。
8の字ができる理由
たとえば毎回、同じ場所から同じ日本標準時で太陽の位置を記録するとします。地球の公転が円軌道で、地軸にも傾きがなければ、太陽は毎回同じ場所に見えるはずです。実際には二方向の変化があります。
- **赤緯による上下の変化。** 6月の太陽は天の赤道の約23.4°北、12月は約23.4°南に来ます。赤緯としての上下の幅は約47°です。
- **均時差による左右の変化。** 太陽が子午線を通る時刻は、平均太陽時に対して早くなったり遅くなったりします。この差は十数分ほどなので、横幅は縦の広がりに比べて小さくなります。
二つが合わさって、細い8の字が現れます。アナレンマは、太陽の赤緯と均時差の年間変化を、空の上で見ているともいえます。地平線に対してどのように傾くかは、観測地と記録する時刻で変わります。
形からわかること
アナレンマの二つの輪は同じ大きさではありません。北半球の冬側に当たる輪のほうが大きくなります。地球が1月初めに近日点へ達して公転が速くなり、均時差を生む二つの効果の重なり方が変わるためです。
毎日の太陽の位置の間隔も一定ではありません。夏至・冬至付近では赤緯の変化が小さく、点が密になります。春分・秋分付近では赤緯が一日約0.4°ずつ変わり、点の間隔が大きくなります。一本の曲線として見るだけでなく、点の並び方を見ると、季節ごとの変化の速さもわかります。
交差する位置は、春分・秋分の太陽そのものではありません。同じ赤緯と均時差になる、別の二つの日付の位置が重なって交点になります。厳密な日付は暦の条件にもよります。
別の惑星から見た太陽のアナレンマは、同じ形にはなりません。地軸の傾き、軌道の離心率、近日点の位置が違うためです。地球の8の字は、その公転と自転の特徴を表しています。
観測場所も、地平線に対する向きを変えます。南半球の回帰線外では、太陽は正午に北側へ来ます。赤道付近では、季節により正午の太陽が北にも南にもなります。古い地球儀の太平洋に描かれた8の字は、日付ごとの赤緯と均時差を読み取る表としても使われてきました。
日時計とアナレンマの歴史
写真で記録できるようになる前から、アナレンマは知られていました。日時計の正午の線に8の字を描くと、日付に対応する部分へ影が来たときの平均太陽時を読み取れます。教会などの建築には、小さな穴から入った太陽光が床を移動する子午線もあります。
一年分の太陽を写真として記録した有名な最初の完全なアナレンマは、米国のデニス・ディ・チッコが1978〜1979年に撮影しました。一枚のフィルムに、長い期間をかけて多重露光したものです。
自分で撮影するときに考えること
- 場所と向きを固定する。 一年を通してカメラの位置と方向を再現できるようにします。自宅の窓やベランダでも、立ち位置と向きを明確に記録する必要があります。
- 同じ時刻を使う。 毎回、同じ基準の時計時刻で撮影します。海外で夏時間が変わる場所では、切り替えをそのまま撮影時刻に反映すると、別の曲線になってしまいます。
- 機材に適した太陽用フィルターを使う。 対物側に安全に取り付ける専用フィルターが必要です。保護なしで光学ファインダーをのぞいてはいけません。
- 無理のない間隔で続ける。 7〜10日おきの記録でも形を追えます。雲がある日は、近い日付の晴れた日に補います。
- 前景は分けて撮る。 風景の写真と、適切に減光した太陽の記録を、後で組み合わせる方法があります。フィルターを外した状態で太陽へカメラを向けないよう、機材の安全手順に従います。
撮影時刻によって、8の字は立った形にも傾いた形にもなります。緯度によって高度も変わるため、撮影地点での一年の範囲を確認しましょう。夏至か冬至付近に始めると、太陽の位置が日ごとにあまり変わらない間に、構図を確認しやすくなります。
Apphemerideで確かめるには
Apphemerideで確かめるには
太陽の天体ページのアナレンマのカードには、観測地点の365日分の太陽の8の字を表示します。一年待たずに、同じ時刻の太陽がどの範囲を動くか確かめられます。均時差のカードで横方向の変化を、二至二分のカードで季節の節目を確認すると、曲線と年間の動きが結び付きます。上端と下端は夏至・冬至に対応し、春分・秋分はその途中の位置です。
太陽の基本機能は無料です。別の日付や別の場所を指定するタイムトラベルと手動の地点選択は、完全版で利用できます。天体ページの機能をご覧ください。
よくある質問
アナレンマを簡単にいうと何ですか?
同じ場所から、同じ時計時刻に、一年間の太陽の位置を並べた形です。地球では細い8の字になります。季節による赤緯の変化と、均時差による東西方向の変化が重なっています。
なぜ一本の線ではなく、8の字になるのですか?
太陽は季節によって赤緯が変わるだけでなく、平均的な時計の時刻に対して早まったり遅くなったりするからです。地軸の傾きは赤緯と均時差の両方に関わり、楕円軌道による効果も加わります。上下と左右の変化が同じ単純な周期では重ならず、8の字の形になります。
夏時間がある国で撮るときは注意が必要ですか?
はい。毎回同じ平均的な時刻にそろえる必要があります。夏時間で時計が1時間進んだとき、表示上の同じ時刻に撮ると、空の別の位置を記録してしまいます。撮影地の時刻制度を確認し、基準を統一してください。