太陽と昼の長さ
太陽はどの方向に、どの高さにある? 方位角と高度を知る
まず知っておきたいこと
太陽の位置は二つの角度で表せます。方位角は北を基準に東、南、西へと測る方向、高度は地平線からの高さです。どちらも地球の自転によって一日の中で変わり、季節によっても経路が変化します。Apphemerideでは、観測地点の太陽の方位と高度を一日の流れとして確認できます。
空の位置を表す二つの角度
太陽の位置を表す身近な座標系が、地平座標系です。目の前の地平線を基準の円にして、その真上に**天頂**がある、空の半球を考えます。望遠鏡や計算に慣れていなくても、方角と高さという感覚で捉えられます。
- **方位角**は地平線に沿って測る角度です。ここでは北を0°とし、東90°、南180°、西270°と、時計回りに数えます。古い天文資料には南を基準にするものもあるため、表を比較する際は基準方向を確かめてください。
- **高度**は、地平線から天体までの角度です。地平線で0°、天頂で90°。負の値は地平線の下を意味します。別の資料では天頂からの角距離を使うこともあり、天頂距離が大きいほど高度は低くなります。
どちらも観測場所に依存します。同じ瞬間の太陽でも、札幌と那覇では同じ方向、同じ高さに見えるわけではありません。地球の自転は共通でも、観測者の地平線が異なるからです。
一日の中でどう動くのか
地球が自転するため、太陽は天球上を円弧に沿って動いて見えます。赤道に沿う回転の目安は1時間約15°ですが、これは方位角が毎時15°ずつ一定に変わるという意味ではありません。日本の大部分のように北回帰線より北では、太陽は東側から昇り、南側で最高高度に達し、西側へ沈みます。この最高高度になる子午線通過が、一般に南中と呼ばれる瞬間です。
このときが真の正午で、時計の12時とは限りません。同じ日本標準時を使っていても、東京と福岡では経度が違い、さらに均時差が季節ごとに変わります。そのため、時計の正午に最も短い影になると決めつけることはできません。
最高高度は緯度と季節で変わります。回帰線の外側では、赤道から遠いほど太陽は低くなります。その基礎となる高さに、太陽の赤緯の年変化が重なります。春分・秋分に比べ、北半球の夏は約23.4°高く、冬は同じ程度低くなるため、回帰線の外側では夏至と冬至の最高高度の差は約47°になります。日本でも夏の高い太陽と、冬の低い太陽では、日差しの入り方が大きく異なります。
季節によって変わる太陽の経路
地軸は公転面の垂直方向に対して約23.4°傾いています。そのため太陽の赤緯は、一年の間に約+23.4°から−23.4°まで変わります。変わるのは最高高度だけではありません。日の出・日の入りの方位も、地平線に沿って移動します。
日本の大部分では、6月ごろの太陽は北東寄りから昇り、北西寄りに沈みます。空を通る弧は長く、高くなります。12月ごろは南東寄りから南西寄りへ、短く低い弧を描きます。春分・秋分付近は、ほぼ真東から昇って真西へ沈みます。
一年間に出入りの点が動く幅は、緯度によっても違います。赤道から離れるほど広くなり、極圏では夏に太陽が沈まないこともあります。大気差は見かけの出入りにも影響し、太陽が幾何学的な地平線に達するより前から見えるようになります。具体的な方位を求める場合は、緯度だけでなく日付と観測条件も必要です。
影、日照、写真にどう役立つか
影の長さ。 太陽が低いほど影は長くなります。水平な地面に垂直に立つ物体なら、高度45°のとき、影の長さは物体の高さと同じになります。地平線に近づくと影は急に長くなります。東京の住宅で冬の庭の日当たりを考える場合も、必要なのは、その時間の太陽の高さと方向です。建物の向きだけでは、周囲の建物や地形の影を判断できません。
太陽光発電。 パネルに当たる光は、太陽の位置とパネルの向きで変わります。日本の多くの地域では南向きが年間の日射を考える出発点になりますが、適した傾斜は緯度、季節、屋根の条件などによって違います。東西向きは、光を受ける時間の配分も変えます。太陽の位置を調べることと、発電量の予測や設計計算は区別しましょう。
写真と建築。 いつ窓から光が入るか、いつ街路の先や鳥居の向こうに太陽が来るか。太陽の方位角と高度を、被写体の方向と比べることで考えられます。方角はコンパスが手がかりになり、高さの感覚には、腕を伸ばした握りこぶしが約10°を覆うという目安があります。これは個人差のある概算です。
安全。 太陽の位置を確かめるために、直接見つめてはいけません。影、アプリ、適切な投影方法を使ってください。
精密な観測で考慮すること
計算上の位置は、まず幾何学的に求められます。大気差は地平線付近では太陽を約半度高く見せ、高度10°では約5′、天頂ではほぼ0になります。六分儀や測量機器での観測では、太陽の視差〈約9″〉や観測者の高度も考慮します。日常的な影の見当を付ける場合には小さな差でも、航海や測量では意味を持ちます。
南半球の南回帰線より南では、太陽の最高高度は北側で生じます。北回帰線と南回帰線の間では、日付と場所に応じて、太陽が北側または南側で最も高くなります。回帰線の内側には、年に2回、太陽が天頂を通る場所もあります。「北半球なら必ず南中」と一般化すると、低緯度では正しくありません。
Apphemerideで確かめるには
Apphemerideで確かめるには
太陽の天体ページでは、太陽が今どこにあり、一日を通じてどう移動するかを確認できます。高度の時間変化グラフ、極座標の方位・時刻の時計、緯度に対する方位の図、24時間の可視性帯という四つの表示があります。
出・子午線通過・入りのカードは、時刻と方位角を示します。補正のカードでは大気差の影響を確認でき、地球の地図には太陽が天頂にある地点も表示されます。太陽の基本データカードは無料です。完全版なら、時間スライダーで別の時刻へ移動し、手動で観測地点を選べます。たとえば、冬の庭や旅先の海岸で太陽がどちらに来るかを、計画する日付で調べられます。天体ページの機能もご覧ください。
よくある質問
正午の太陽の高さはどのくらいですか?
緯度と日付で変わります。北回帰線より北の日本では、南の地点ほど高く、夏至付近に高く、冬至付近に低くなります。東京の値をそのまま北海道や沖縄に当てはめることはできません。Apphemerideの出・子午線通過・入りのカードと高度グラフで、地点と日付に対応する値を確認できます。
方位角180°とは、どちらですか?
北を0°として時計回りに測る場合、180°は真南です。北回帰線より北では、太陽が一日の最高高度になるときの方位がほぼ180°になります。この真の正午は、経度と均時差により、時計の12時とは一致しないことがあります。
日本で太陽が真上に来ることはありますか?
東京や日本の主要な居住地域は北回帰線より北にあり、太陽は天頂まで来ません。太陽が天頂を通るのは、北緯約23.4°から南緯約23.4°の間です。日本の領土全体には沖ノ鳥島のような低緯度の例もあるため、「日本のどこでも絶対にない」と国名だけで一般化せず、観測地点の緯度で判断する必要があります。
影の長さは何で決まりますか?
主に太陽高度で決まります。低いほど長く、高度45°なら、水平な地面に垂直な物体の影はその高さと同じ長さになります。影が伸びる方向は、太陽の方位と反対です。地面の傾きや周囲の建物も実際の影を変えます。時刻ごとの太陽の高さと方位は、Apphemerideの太陽の高度変化カードで確認できます。